
矯正治療のなかで、前歯のクロージングはたいへん重要なステップです。リンガルの治療においても同様で、このステップで歯の移動が思うようにいかなくなり、良い結果がだせないことがしばしばあります。原因はなんでしょうか。
まず第1にリンガルの場合、歯の抵抗重心と舌側という牽引場所の関係から、クロージング時、特に前歯が舌側傾斜しやすいということが知られています。そこで、前歯にはよりトルクをかけることが必要になってきます。
第2として、クロージング時スライディングメカニクスを用いますが、小臼歯、大臼歯のブラケット、チューブとワイヤーがうまく滑ってくれることが必要になります。これらの条件を満たすワイヤーとして、DDワイヤーが挙げられます。前歯がフルサイズに近い角、側方部が細めのすべりのいいワイヤーです。
私はずいぶん前にDr.フィリオンのセミナーでこういう角と丸の2種類の形態でできているワイヤーを知りましたが、当時の日本では薬事の関係で手にいれるのはたいへん面倒でした。ところが昨年、フォレストワン社の方から同様のワイヤーが日本で販売されました。それがこのDDワイヤーです。
現在、私は臨床でこのワイヤーを使っていますが、実際に使用してみて、以前海外から購入していた同様のコンビネーションワイヤーと比較したところ、角と丸の接合部での破折がほとんどなく、側方部のワイヤーの滑りがたいへん良いという感想をもっています。クロージング時に使用するワイヤーは016x022ステンレスに始まりいろいろと使用してきましたが、現在はほぼルーティンにこのワイヤーを使ってリンガルの臨床を行っています。
ぜひ使用してみる価値のあるワイヤーだと思います。
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